組織のリーダーとして部下を持つときには、まず何より大事なことがあります。
それは部下に関心を持つということです。
逆に何よりいけないのが、関心を持たないこと。興味を持たれていない、というのが、部下として一番つらいことなのです。
部下は思っている以上にあなたの行動や言動を見ている
関心を持たれていないというのは、本人が一番気付きます。
リーダーの発言や雰囲気でなんとなく気が付いてしまうのです。
そうなったら、組織内の立ち位置や、居場所がなくなり、気まずい思いをしてしまい、転職を考えてしまう可能性があります。
なのでマネージャーやリーダーは部下全員に関心を示してあげる必要があるのです。
難しいことではありません。朝出社してきたとき、なんとなく寂しそうにしていたり、元気がなかったり、逆に明るい雰囲気だったり、ゴキゲンだったりするとき、一声かける。
それだけでも
「あ、○○さんは自分に関心を持ってもらっているんだな」
とわかります。
思えば営業コンサル時代から、私はどういうわけだか、メンタルを強くしたい営業マンに感謝されたり、尊敬されていたりしていました。(おそらく)
のちに退職するとき、職場でもらった寄せ書きに「小野さんが何気なくかけてくれた一言で救われました」という言葉をいくつも見つけたことを覚えています。
そもそも顔を見れば、相手の状況はなんとなくわかるものです。疲れた顔をしていれば、やっぱり声をかけたくなりますし、最近入社した新人営業マンであれば、「大丈夫、慣れたか?」と言ってあげたくなります。
ポジションが上がっていけば上がっていくほど、こうした姿勢は重要になると私は思っています。
部下の部下にまで気を配る
例えばSVになったとき、部のリーダーばかりを見ているのは、問題だと私は思っています。
部下の部下となる、リーダーの部下についても関心を持たないといけない。なぜなら、部下の部下も自分の大切な部下なのですから。
一つ下のポジションには気を配れるけど、さらに下のポジションには関心を向けていない。これでは、部下に不満が生まれてしまうでしょう。
役職が上に上がったとしても同じです。現場にまで、どのくらい関心を持てるか、気を配れるか。その意識が問われるのです。
上司はちゃんと見てくれている。自分たちのことに関心を向けてくれている。それを感じるだけで、営業マンのモチベーションは圧倒的に変わっていくと思います。
そして同時にこれは、いろいろな情報収集の場にもなります。
どんな企業でも上長の耳には入れたくないことがあります。
また、業績を悪化させたり、社員のやる気を無くすような原因が現場で生まれたりします。
マネージャーやリーダーが現場まで行って、直接関心を持っていることを伝えれば、そうしたリスクを明らかに減らすことができると思っています。
関心を持っているよ、ちゃんと見ているよ、というメッセージは、悪い情報を一早く見つるための「抜き取り検査」にもなり得るのです。
飲みに行かなくても本音が聞ける信頼を構築しておく
部下との関係を円滑にするために、お酒を飲みに行くことが大切だ。と思っているリーダーや上司も少なくないようです。
お酒の場であれば、くだけて、リラックスして話もできて、本音も聞くことができるのではないか、と。
でも、私はそれでいいのかなと思っています。
※そもそも私はお酒がそんなに飲めません・・・ビール一杯で顔が真っ赤になります・・・
大事な話だからこそ、お酒の場ではなく、素面の場でしっかりと聞き、あるいは話し合うべきです。
もっといえば、お酒など飲まなくても、本音が聞けるような関係をつくることこそ大事です。
だから、無理に部下と飲みにいくような必要はないと私は考えます。
ましてや、大勢の部下を引き連れて飲み歩くなど、ありえないことでした。
仕事の場は仕事の場、プライベートの場はプライベートの場なのですから。
先にも書きましたが、会社を出ればポジションはもうないのです。偉いも何もない。
一対一の、ただの人間関係があるだけなのです。
個人的に飲みに行くことはあったかもしれませんが、それは仕事や会社の延長ではありません。あくまでも個人としてのみに行ったのです。
上司になったら、部下と飲みに行かなければならないんじゃないか、などと思っているなら、むしろそれは逆です。
飲みに行かなくても、いいような関係を日ごろから作っておく努力こそが求められるのです。お酒に逃げては、いけないのです。
お酒が飲めなくても、お酒を飲みにいかなくても、部下に「ついていきたい」と思われるリーダーはいます。
むしろ、お酒に頼らない人間関係を作ろうとする意識こそ、必要だと私は思っています。