部下を持つ上司の勘違い!無理にやらせても自信はつかない理由

これまでの人材育成の考え方の一つに、次のようなものがありました。

初めは厳しく管理して、やればできることを教えてから、少しずつ任せるようにして、できるようになってから最後は信頼して全面的に委任する。

さて、あなたに質問ですが、厳しく管理して人は成長したでしょうか?

中には反骨精神と負けず嫌いの塊で、厳しいく接したほうが成長したという人がいるかもしれませんが、実際には、なかなか成長せずに、いつまでも厳しく管理し続けなければならなくなってしまったのではないでしょうか。

そのやり方でうまく行かなったとしたら、反対に振れてみてはいかがでしょうか?

部下を信頼してみよう

それは何かというと、始めから部下を信頼するということです。

自分が見本となり、夢を共有し、相手に尽くします。

そして信頼関係ができてきたら、だんだんと厳しくすることもあります。

さらに、強い信頼関係ができたら、叱ったり、怒ったり、厳しく管理をしても、相手はどんどん成長していきます。

よく、

「初めは言ったことをやらせるようにして、少しずつ自信を持たせた方が良いのでは?」

「初めは、依存型でもいいのではないでしょうか?」

というような、質問を受けるようなことがあります。

確かに、そういうステップで接したくなる気持ちはわかります。今までの人材育成の基本がそのように考えられてきたからです。

しかし、私ははこのような考え方とは一線を引いています。

なぜならば、一度でも依存させてしまうと、自立させるためにより多くの時間と労力がかかるようになってしまうからです。

例えば、あるカップルの恋愛です。

付き合っている男性の一人暮らしの部屋に、女性が遊びに来て、炊事、洗濯、掃除など部屋の中をきれいに片すという話は聞いた経験があると思います。

この話を聞いて、あなたはどうのように感じますか?

「あーあ、その男性は甘えん坊になっちゃうな。ダメンズを促進しちゃうよ」

って思ったりしませんか?

彼女はきれいな部屋で、気持ちよく日々を過ごしてほしいと思い、優しさで行為を行っているかと思いますが、長期的に見たら自分でやるべきことをやる習慣を身につけるチャンスを無くしてしまっています。

それと全く同じことを、行ってしまう可能性があるということです。

「だとしても部下が言わないとやらない」と反論が来そうですが、

相手が言わないとやらないのは、今まで言ってやらせてきたからです。

言われたことだけ行っていると、本当の自信は身につかない

そしてとても残念なことですが、言ってやらせたとしても自信はつきません。

それは言われたことを、仕方なくやっているからです。

できて当然であり、出来なければ無理なことをやらせると言って、こちらのせいにされてしまうかもしれません。

先ほどのカップルの話ですと、部屋をきれいに片すことができず、指摘したら、

「今から片付けようと思ってたんだよ。そんなこと言われたらやる気なくしちゃうよ」

って言われることが関の山ということです。

また失敗するといけないから、できるようになるまで任せることはできない、というのは同じことを繰り返すような仕事の場合には有効でも、変化する社会の中で常に新たな状況対応を求められ続けるような仕事の場合には全く効果はありません。

そうでなくて、たとえうまくいかないことがあったとしても、それを糧にして成長し続けていく姿勢を身につけさせることが必要なのです。

つまり、できるようになってから任せるのはなく、はじめから任せて失敗を糧にすることができるような姿勢を身につけさせるということです。

小さなことから、大きなことへ

もちろん小さなことから任せて、だんだんと大きなことを任せていくようにします。

そのためには、育成する上司が、相手の前で見本となって、失敗を怖がらず、失敗を糧にして成長することを楽しんでいなければなりません。

大切なのは、相手が自分の意思で、自分の判断でやっているという感覚を持ちながら行動することです。

言われたことを仕方なくやるのではなく、言われたことを喜んでやる。

依存するのではなく自発的に行動するということです。

その上で成果を出すことができればその時、真の自信が生まれるのです。

まとめ

上司にとって重要なことは、相手が行動したかどうかではなく、自立型の姿勢で行動したかどうかです。

失敗もありますし、成功もあります。

改善を繰り返していたのか?

努力していたのか?

チャレンジしていたのか?

成長していたのか?

そんな目線で部下を見守っていてあげてください。

何よりも、自立型の姿勢を支援するのが上司の役割なのです。

※そして、そんな異性があなたの隣にいたら幸せですね(笑)